梅毒の眼合併症

眼科 2023年6月号より 


梅毒は、Treponema pallidumによる性感染症で様々な全身症状を呈する。 日本では2012年から感染者数が加速度的に増加しており、2022年の累計感染者数は1万2千人を突破した。 

主な眼症状は以下の通り。

 先天梅毒は妊婦からの経胎盤感染によるもので、妊婦の血液検査から診断は容易と思われる。 一方、後天性の場合は特徴的な所見を呈さないことから、原因が梅毒と特定できないものが普段の診療の中でも埋もれていると思われる。結膜炎や強膜炎を診察して、梅毒を疑う眼科医はまずいないであろう。 コロナ感染症が流行した中で、多くの伝染性感染症は減少したが梅毒は増加したという報告がある。梅毒性眼疾患は今後も増加する可能性があるため、注目が必要な眼感染症である。

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